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■近年は「検索」の購買行動が主流
近年、私たちは「検索」という行為を日常的に行い、そこで得た情報を総合しながら商品購入の意思決定を行なっています。
ECショップのマーケットは大きく広がり、いつどこでも欲しいものを買うことができるようになりました。スマホやパソコンがあればすぐに情報を収集でき、今や購買活動は、実店舗に足を運ぶよりWeb検索が中心になっていると言っても過言ではありません。
しかし今、Web技術の進化や情報過多の影響もあり、検索情報の精度が相対的に下がっている傾向にあります。私たちは、欲しいものが信頼に足るものなのかどうかも精査しなくてはならなくなりました。
「調べても出てこない」「欲しい情報はこれじゃない」といったようなストレスを与えてしまってはユーザーは離脱してしまいます。この問題は多くのECが抱えている問題であり、多くの機会損失を発生させています。
そこでSELF for ECは、この問題を解決すべく試行錯誤を繰り返し、一つの方法を導き出しました。それは、弊社独自のエンジンによりユーザーのニーズを素早く捉えるというものです。これにより、ユーザーにストレスを与えないスマートな購買活動を実現しました。ここでは、SELF for ECがどのようにそれを可能にしたのかをご説明いたします。
■購買のきっかけは「欲求型」と「問題解決型」
たとえば、巷で話題の人気スイーツ店があるとします。行列ができるほどの人気店で、中にはわざわざ遠方から足を運ぶお客さんもいるかもしれません。どんな思いでお店にやってきたか、2つのケースを想像してみましょう。
- ケースA:人気スイーツに興味を持ち、お店に買いに行く場合
- ケースB:ケンカした恋人と仲直りするため、スイーツ好きな恋人にプレゼントする場合
ケースAを「欲求型購買」、ケースBを「問題解決型購買」と名付け、それぞれのケースをWeb上のフローに置き換えて考えてみます。
A:欲しい商品が明確にイメージできている「欲求型購買」
ケースAは、「あのスイーツを食べたい!」というハッキリとした目的があります。つまり、消費者が欲しい商品が明確にイメージできている状態と言えます。
チラシやCM、口コミなどの情報から「これ欲しいな」「季節限定だし買おうかな」のような欲求が生まれ、あらかじめ欲しい商品が決まった状態で購買行動が始まります。そして、イメージしている商品が自身の要求を満たすかどうかを吟味するのです。
■欲求型購買行動のフロー
ユーザーは具体的に何が欲しいか決まっており、欲しい物を探すためEC等へアクセス。欲しいものがハッキリとしているため、ユーザーは目的商品が自身の要求を満たすかどうか「比較」することに重点を置いている。
■予想されるユーザーの行動
・サイト内でのワード検索
・カテゴリーからの探索・回遊
■商品精査時に予想される行動
・サイト別での価格の比較
・詳細内容の比較
・類似商品との比較
B:欲しい商品が明確にイメージできていない「問題解決型購買」
一方、ケースBでは、ケンカした恋人と仲直りしなければならないというある種の「問題」が起点となっています。
ユーザーは「甘いものが好きな彼(彼女)に何かスイーツでも買って帰ろう」という動機で訪れるため、この時点ではまだ漠然と「おいしいスイーツ」くらいのイメージしか持っておらず、欲しいものが明確になっていないと考えられます。これはいわば問題解決型の購買行動であり、実生活上で起きた不具合や問題を解決するために商品を探す行動となります。
これは、赤ちゃんが病気になったり自家用車が故障したりなど、馴染みのない知識や道具が必要とされる場面にも当てはまります。ユーザーは明確な商品というよりも問題解決手段を必要としており、まず問題解決のための方法・知識を検索し、それを元に改めて必要な商品を探すのです。
■問題解決的購買のフロー
日常生活で問題・課題が発生し、解決することが目的。この場合、ユーザーが欲しいものは問題解決の手段であり具体的な商品ではない。解決手段がすでにわかっている場合は解決してくれる商品のリピート購買の傾向があり、問題の解決手段がわからない場合は問題解決手段の調査が必要。
■予想されるユーザーの行動
・問題解決手段が明確 → リピート買いのために商品検索
・問題解決手段が不明 → まずは手段を調査
■商品精査時に予想される行動
・商品が受け取れるまでの時間の比較
問題解決購買の場合、ユーザーは先の見えない調査を強いられるため、いかに早くユーザーに解決手段を提示し、商品購入に踏み切ってもらうかが重要。
■ECサイトで払拭すべき阻害要因とは
欲求型と問題解決型を比較すると、このようになります。
問題解決型 | 欲求型 | |
目的 | 問題を解決したい | 特定商品がほしい |
商品把握 | 商品が曖昧 | 商品は明確 |
選ぶ根拠 | 問題解決が可能か | 欲求先行 |
探し方 | 案内・提案を受ける 自力で検索・比較 | 自力で検索・比較 |
定性評価 | 他者の評価やレビュー | 自身の評価や好み |
定量評価 | 手元に届くまでの時間 | サイズ等の商品スペック |
どちらのユーザーも、目的を達成するために検索作業を行います。問題解決型購買の場合、ユーザーは以下のようなことを把握して初めて商品購入にいたると考えられます。
- 「解決策」
- 「解決策の実行方法」
- 「その際に必要な道具」
多くのユーザーは、目的の商品を見つけだすためにいろいろ調べたり検索したりという調査をします。しかし、こういった調査を「負担」「面倒」と感じるユーザーも多いのではないでしょうか。ましてやECサイト上で調査が必要となれば、ユーザーはサイトから離脱してしまいかねません。
ですのでそれらを省略し、ユーザーが望むものを迅速に提案する必要があります。しかしここで問題なのが、適切な商品提案にはWeb購買特有の阻害要因が存在するということです。
■<情報が多い><情報が足りない><わかりづらい>
Web購買特有の阻害要因は主にこういったものです。
- 大量の比較可能な商品が存在する
- 情報がわかりづらい
- 情報不足
Webショッピングでは、多くのユーザーは他店舗や他サイトで商品を比較します。
しかし、商品が大量に掲載されていれば商品の吟味がしづらく、迷ったり購入を諦めたりするでしょう。また、必要以上に情報が掲載されていると、ユーザーは何を基準に選んだらいいかわからなくなり、混乱を招く原因にもなります。かといって情報が少なすぎてもユーザーにとってはストレスとなるため、ユーザーのニーズに沿った提案をスマートに行うことが重要です。
■スマートな商品提案が可能な「SELF for EC」
このような問題点を解決し、ユーザーにスマートな商品提案を行うことができるのが「SELF for EC」です。
SELF for ECでは、ユーザーに不要な検索をさせることなく、ニーズに沿った商品提案をすることでユーザーにとってストレスのない購買行動を実現させています。そのために、SELF for ECには3つの特徴をもたせています。
特徴1.定性情報を織り込む丁寧なヒアリング
まず、ユーザーに課題や困りごとのヒアリングを行い、回答によって提案商品郡を選別します。ユーザーの抱えている問題点が何かを会話によってあぶり出すことでより精度の高い提案が可能になり、情報検索や調査といったユーザーの負担を最小限に絞ることができるのです。
例えば、自家用車の部品を探しているユーザーに対しては故障の内容を切り口に商品提案を行い、携帯電話の機種で悩んでいるユーザーにはレビューの高い機種から紹介するといったように、できるだけユーザー目線で商品提案を行う設計となっています。
特徴2.リアルタイムに商品を提案
また、ユーザーに提案した商品は常に画面上に掲示させます。
ちなみに、SELF for ECで紹介される商品群は、ヒアリングによって精査され、不要な情報などがそぎ落とされたニーズに近い商品群となります。つまり、ユーザーは面倒な「調査」を他サイトなどで改めてする必要はなく、提案された商品群の比較のみで商品を検討することができるのです。
特徴3.ユーザーデータの活用
ユーザーごとの会話や行動などの記録はデータとして蓄積され、ユーザーの好みや傾向に合わせて最短で商品案内をできるように最適化されていきます。ユーザーから聞き取った定性データと行動データを絡めて分析することで、柔軟な情報提示が可能なのです。
具体的には、ユーザーの属性や傾向がわかるとこのように分析されます。
- 「〇〇な問題を抱えているユーザーは✖︎✖︎のような行動をとりやすい」
- 「自営業のAさんは深夜帯にアクセスしやすい」
こういった情報がわかると、ユーザーの問題点にいち早く気づくことができ、迅速な商品提案が可能になります。SELF for ECの導入によってユーザーを詳細に把握し、情報を整理することが、ユーザーにとっての快適な購買活動につながるのです。
ここで行った商品案内のログや購買商品、購買ユーザーの行動データは弊社のデータベースに蓄積され、あらゆるユーザーのどんな検索パターンにも対応できるシステムが構築されます。すでに数社の企業様に導入いただき、効果を実感していただいております。
ご案内
SELF for EC(旧SELFLINK)は、「生成AI-個別開発」へと統合されました。
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詳細は、下記ページをご覧ください。
SELFのライターを中心に構成されているチーム。対話型エンジン「コミュニケーションAI」の導入によるメリットをはじめ、各業界における弊社サービスの活用事例などを紹介している。その他、SELFで一緒に働いてくれる仲間を随時募集中。