「ChatGPT、うまく使えてますか?」
最近、ChatGPTと連携したチャットボット「SELFBOT」を開発・提供する弊社(SELF株式会社)には、下記のようなお問い合わせが多く寄せられています。
話題のChatGPTを使ってみたいけど……
・そもそもどんなことができるのかよく知らない。
・数ある連携サービスの違いが知りたい。
・関連する情報の量が多すぎてよくわからない。
そこで今回の記事では、ビジネスにおけるChatGPTの活用方法と実際の事例を解説し、ビジネス利用にオススメのGPT連携サービスをご紹介します。
目次
◇ChatGPTとは
ChatGPTはアメリカのAI開発企業であるOpenAI社が開発した生成AIを用いたチャットサービスです。膨大な量のデータを使ってトレーニングしたAIによって、高度な自然言語処理(テキスト解析、テキスト生成)が可能です。
2022年11月にOpenAI社のWebサイトで一般公開され、アカウントを作成すれば誰でも使えるという手軽さから、大きな話題となりました。
翌年3月にAPIが公開されたことで様々なアプリケーションと連携可能になり、ビジネス分野をはじめ、様々な場面で導入・活用が進められています。
現在のChatGPTは…
・一般公開されており、誰でも使える
・OpenAI社から事業者向けプランが提供されている
・APIが提供されており、独自のサービスやアプリケーションと統合可能
・APIを利用した連携サービスが数多くリリースされている
という状況です。
◇ChatGPTを利用する4つの方法
ChatGPTをビジネスに利用する方法はいくつかあります。それぞれに、できることとできないことがあり、セキュリティ面でも違いがあります。ChatGPTのビジネス利用を考える際は、まず利用方法による違いを把握し、自社の状況に応じて最適な利用方法を選択することが重要です。
こちらでは、ChatGPTをビジネスに利用するための4つの方法をご紹介します。
◆Web一般公開版(ChatGPT、ChatGPT Plus)の利用
ChatGPTは前述した通りOpenAI社のWebサイト上で公開されており、アカウントを作成することで誰でも無料で利用することができます。また、月額20ドルで利用できるChatGPT Plusは、GPTシリーズの最新モデルであるGPT-4Vが利用できるほか、ChatGPTの機能を拡張できる様々なプラグインが利用できます。
一方、機密性の高いデータの取り扱いには注意が必要です。一般公開版のChatGPTは、ユーザーが入力したデータがモデルの再トレーニングに利用される可能性があり、機密情報の流出につながる恐れがあります。データを利用されないようオプトアウトを申請することもできますが、会社などで利用する場合、すべての利用者の入力内容を把握するのは難しいでしょう。一般公開版のChatGPTをビジネスに利用する場合は、個人情報などの機密情報は決して入力しないなど厳格なルールを策定し、利用者全員が遵守することが重要です。
◆ChatGPT Enterpriseの利用
ChatGPT Enterpriseは、OpenAI社が提供するChatGPTの事業者向けサービスです。
ChatGPT Plusと同等の機能を無制限に利用することができ、専用の管理コンソールからアカウントの作成や決済なども可能です。また、送信データはモデルの学習に利用されないなど、一般公開版よりもセキュリティが強化されています。
さらに、2023年8月に提供開始された革新的な拡張機能であるAdvanced data analysis(旧Code Interpreter)も利用可能。これにより、データ分析やプログラミングのサポートなどの用途に優れたパフォーマンスを発揮することができます。
ChatGPT EnterpriseはOpenAI社のWebサイトからライセンスを取得することで利用できますが、利用料金は事業者のニーズや事業規模によって変わるため、問い合わせが必要です。
◆API(Azure /OpenAI)利用による独自ツールの作成
MicrosoftのAzureやOpenAIが提供しているAPI(Application Programming Interface)を利用することで、ChatGPTの機能を様々なサービスやアプリケーションに統合できます。APIを経由することで一般公開版よりもセキュアな環境でChatGPTを利用することができます。また、目的に応じてカスタマイズすることで個別の事業課題に応じたツールを作成することが可能となります。たとえば、ユーザーの質問に答えるチャットボットを作成したり、翻訳やコード生成、SEOなどに特化した社内ツールとして利用することが可能です。
ただし、APIはあくまでもChatGPTを他のサービスやアプリケーションにつなぐためのインターフェースなので、意図通りに動くサービスやツールを構築するにはプログラミングなどの専門知識・技術が必要となります。
◆連携サービス(外部ツール)の利用
ChatGPTが公開されて以降、多くの企業がChatGPTと連携したサービスを開発し、リリースしています。社内・社外向けのチャットボットをはじめ、文書要約、議事録作成など、様々な用途に特化したサービスが数多くのベンダーからリリースされています。そうしたサービスを利用することで、専門知識や技術を保有していない事業者でも手軽にChatGPTをビジネスに利用することができます。
◇ChatGPTのビジネス活用法
◆個別業務の自動化、効率化
ビジネスメールやブログ記事などの文書作成、文書の要約や翻訳、コード生成、アイデアの列挙などはChatGPTの得意とするタスクです。これらのタスクを行うだけなら、無料で公開されているChatGPTでも十分かもしれません。
また、ChatGPT Plusなら、GPTシリーズの最新モデルを利用できます。さらに、Webからの情報検索、動画や音声からのデータ抽出、データ入力・分析、グラフ作成など、より高度なタスクに対応可能な数々のプラグインが利用できます。
一方、データ分析やライティング支援など特定の業務に特化した外部サービスも数多く存在します。
◆社内情報共有の効率化
ChatGPTは、社内の情報共有の効率化にも役立ちます。社員がアクセスできる環境に社内のナレッジベースと連携したChatGPTボットを設置することで、社内の情報共有や業務における疑問の解消を円滑に行うことができます。
一般公開版のChatGPTはインターネット上の情報は学習しているものの、当然ながら企業固有の情報は把握していません。よって、社内の情報共有やヘルプデスク業務に使えるツールを作成するには、
・API利用による社内ツールの作成
・外部サービスの利用
のいずれかが必要です。
◆カスタマーサービスへの導入
ChatGPTのカスタマーサービスへの活用法として、一般的なのはWebサイトやアプリケーションにチャットボットを設置する手法です。ChatGPTの自然言語処理技術を用いたボットは、従来のチャットボットと比べて正答率(適切な回答を提示する割合)が高く、幅広い質問に対応できます。また、従来のチャットボット導入において必要だったシナリオ構築やキーワード選定の手間がなく、回答の根拠となるデータベースを連携させるだけで比較的手軽に稼働させることができます。
ただし、個人情報などのデータプライバシーへの配慮やプロンプトインジェクション攻撃(事業者側が意図していない挙動を誘発するボットへの命令)への対応など、社内で利用する場合と比べて入念な対策が必要な点も多くなります。
チャットボット以外の活用法としては、占いサービスやマッチングアプリにおけるユーザーのプロフィール添削などに活用されている例もあります。
◇ChatGPTを運用するためのポイント
◆セキュリティリスクへの対策
前述した通り、一般公開版のChatGPTは入力したデータがモデルの再トレーニングに利用され、情報の流出につながる恐れがあるため、送信データのオプトアウト申請やEnterprise、APIの利用
といった対策が必須です。
ただし、そうした対策を行ったとしても万全というわけではありません。ChatGPTを利用する際、入力したデータはクラウドサーバに送信されます。その過程でサイバー攻撃などによって情報が漏洩してしまうリスクはゼロではありません。やはり、万が一に備えて「機密情報は決して入力しない」などのルール策定は必須といえます。また、APIを利用して独自ツールとして運用する場合は、データの暗号化や定期的なデータ削除、アクセス制御などの対策も重要です。
LLMのビジネス利用におけるセキュリティ上の懸念と対策については、こちらの記事をご覧ください。
◆プロンプト(指示、命令)の工夫
ChatGPTなどのLLM(大規模言語モデル)に意図通りの挙動をさせるために、何よりも重要になるのが「プロンプト」です。プロンプトとは、LLMに動作を促す自然言語での指示や命令のこと。このプロンプトの良し悪しがLLMの応答精度を左右するため、同じLLMを利用していても与えるプロンプトの質によって性能に差異が生まれてしまうのです。
プロンプトについては、「これをやれば100%問題ない」という正解はありません。ChatGPTに、目的に応じてより精度の高い応答を期待するのであれば、有効なプロンプトの形式や規則を発見するために試行錯誤する必要があります。
◇ChatGPT連携サービス導入事例
ここからは弊社の提供する「SELFBOT」を通じてChatGPTをビジネスに利用している実際の事例をご紹介します。
◆株式会社ビューティガレージ(カスタマーサポート)
株式会社ビューティガレージは、BtoBの理美容商材の卸しを軸とした、美容業界におけるインターネット販売のパイオニア企業です。同社の運営するサイト内の「SALONスターター開業支援サイト」、および公式オンラインストア内のFAQページには「SELFBOT」が導入され、サイトを訪問したユーザーに対し美容サロンの開業相談や問い合わせへの回答を行なっています。
・導入サイト:開業相談への自動対応を実現したSALONスターター
https://kaigyo.beautygarage.jp/
・導入サイト:FAQへの自動対応を実現した導入先サイト
https://help.beautygarage.jp/
◆株式会社テンポスドットコム(カスタマーサポート)
テンポスドットコムの「飲食店開業マップ」は、「開業に必要なすべてのものをテンポスで。」をコンセプトに、事業計画などの事前準備から、資金調達の方法、物件の探し方、設備の選び方、集客の方法など、オープンするまで、そしてオープンした後のことまで、開業を志す方の不安・疑問が解消されるよう、詳しく案内しているWebサイトです。「SELFBOT」を導入したことで、ユーザーの漠然とした疑問や悩みにも対話形式で答えることができるようになり、テンポスが持つノウハウを有効にユーザーに届けることができるようになりました。
・導入サイト:飲食店開業マップ
https://www.tenpos.com/kaigyo/openmap/
◆株式会社シンワバネス(社内ナレッジ共有)
シンワバネス は、半導体製造装置に使われるヒーターなどの設計や発注を請け負うファブレスメーカーとして、受注のほぼ100%がオーダーメイド製品であり、独自の技術力、品質力、対応力を持っています。一方で、大量に蓄積された独自の技術情報やノウハウが社内で共有しづらく、効率的な活用が難しいという課題を抱えていました。
「SELFBOT」は膨大な社内データを学習させ、ボットとの対話によって必要な情報をスムーズに引き出すことができるため、シンワバネスの課題を解決するためのソリューションとして選ばれました。
事例詳細:https://self.systems/ai-news-selfbot-vanes-pressrelease/
他にもSELFBOTは多数の企業の業務効率化や顧客向けサービスに導入されています。
SELF AIの導入事例につきましては、下記の導入事例一覧ページからご覧ください。
→導入事例一覧
◇ビジネス利用にオススメのGPT連携チャットボット
◆GPT連携「SELFBOT」
「SELFBOT」はSELF株式会社(弊社)の提供するGPT連携ボットサービスです。
Azure OpenAI Service(API)経由でGPTと連携し、自動データ学習によって高精度のオリジナルチャットボットを低コスト、短納期で導入可能です。また、学習データとして登録できるリソースはテキストデータのみならず、PDF、PPTファイルの登録も可能です。また、URLを指定するだけでWebページを学習させることも可能です。
SELFBOTの機能、導入プランについての詳細は、こちらをご覧ください。
◆無料トライアル実施中
「SELFBOT」は無料トライアルを実施中です。
「SELFBOT」による会話体験を、実際のサービス環境下にてご利用頂けます。WEBサイト上でのカスタマーサポート、社内ナレッジ検索などの用途でお試し頂くことが可能です。詳細は下記のお問い合わせページよりお気軽にお問い合わせください。
SELFのライターを中心に構成されているチーム。対話型エンジン「コミュニケーションAI」の導入によるメリットをはじめ、各業界における弊社サービスの活用事例などを紹介している。その他、SELFで一緒に働いてくれる仲間を随時募集中。