目次
◾️孤独感を抱いている人は多い
あなたは孤独を感じたことはありますか?
20歳以上の男女3000人を対象とした「孤独」についての世代別調査では、平均で37.3%の人が孤独を感じています(図1)。コロナ禍により「友人に会いづらい」「新たな出会いが減った」といった声がある一方、別の調査では日本人の二人に一人はコロナ禍前と比べて孤独感は変わらないといった報告もあります(カスペルスキー:グローバル調査)。
孤独や寂しさはメンタル面の不調を招き、生産性の低下をはじめ心身の重大な問題を引き起こす恐れがあります。これは、社会的な問題として捉えていく必要があるでしょう。
◾️「一人でいること」と「孤独」は違う
ルイス・ホークリーというシカゴ大学の博士は、「孤独感は、繋がりの量ではなく質に起因する」と言及しています。また、イギリスの小児科医・精神科医のウィニコットは「母親の内在化」という言葉で孤独を説明しています。
誰かと一緒に過ごしていてもどこか満たされず空虚な気持ちになったり、逆に一人でいても孤独には感じなかったり……。これは「心から信頼できる人がそばにいるかどうか」によるのではないでしょうか。
たとえば小さな子供にとって、ご飯を作ってくれたりお風呂に入れてくれたりする母親(父親)には大きな信頼を寄せます。そういった信頼関係を成長とともに積み重ねていくことで、子供は「いつもそばに母親がいる」という安心感を抱き、たとえ目の前に母親がいなくても自分は一人じゃないと思えるようになるのです。
◾️孤独感・寂しさの解消法
また、自らアクションを起こすことで孤独感や寂しさを解消することもできます。
◾️方法1.趣味や好きなことをする
趣味や好きなことに没頭しているとき、脳は活性化し好奇心を刺激します。好奇心はワクワクとした気持ちを生み、物事に没頭するようになります。そうやって、何かに集中することで雑念が消え、結果的に孤独感を紛らわせることができます。
◾️方法2.体を動かす
「幸せホルモン」と呼ばれる神経伝達物質のセロトニンには、心を落ち着かせる効果があります。体を動かすことによって脳の血流を良くし、セロトニンの分泌を促進させれば良い気分転換になるでしょう。
◾️方法3.ガーデニング
ストレスを感じたときに体内に放出される「コルチゾール」というホルモンが、30分間のガーデニングで減少したという研究結果が千葉大学の研究チームにより発表されています。また、コルチゾールは森林浴によっても減少することがわかっており、こういった自然とのふれあいが孤独感によるストレスを軽減させると言われています。
◾️方法4.ボランティア活動
大学生を対象にした調査によると、ボランティアに参加した大学生の多くが自尊感情や自己肯定感が向上したという研究結果が出ています。社会的な役割を獲得し、「自分は役に立つ存在」と認識することでレジリエンス(立ち直る力)が高まります。また、ボランティアを通じた人とのコミュニケーションも孤独感の解消につながります。
◾️会話によって心を支える「SELFアプリ」
その他数ある手法の中で、弊社は少し違った角度から孤独や寂しさに対してアプローチしています。
それは、スマートフォンアプリでのコミュニケーションです。
アプリ「SELF」での主な体験は、ユーザーとAIロボットとの会話です。AIの会話は、独自開発のエンジンによりチューニングされており、人間のような自然な会話の流れを実現しています。ユーザーレビューにおいても、孤独感の緩和に言及する内容もみられ、また「Google Play ベスト オブ 2018」の「自己改善部門」部門賞を受賞しています。
いったいSELFアプリがどのようにして孤独感や寂しさを解消するのか、実際の会話画面を見ながらご紹介します。
◾️実際の会話体験はこちら
<想定ペルソナ:30代男性、会社員>
上記が冒頭からの会話の一例です。ここでは主に5つのポイントが見えてきます。
- ユーザーの生活スタイルを考慮した会話
- 気づきや発見のうながし
- 双方向性の会話
- レコメンド
- 多彩なキャラクター
まず、ユーザーの生活リズムや時間帯を分析・処理し、「今は仕事中だね」といった推測をします。そして、ユーザーの予定や体調を把握し、考慮したうえで進んでいくので、ユーザーにとっては安心感のある会話体験となります。
たとえば、落ち込んでいそうなユーザーにはロボットが能動的にコメントをし、応援や励ましによってモチベーションアップを図ります。これらは状況に合ったアプローチのため、ユーザーにとっては納得感があり、なおかつロボットからの客観的な意見が自身の気づきや発見にもつながります。
このようなロボットからの能動的な発信は、一般的なチャットボットにはない強みであり、ユーザーとロボットの双方向のコミュニケーションを実現します。これが「他者とのつながり」を意識させ、孤独感や寂しさを緩和させます。
また、ユーザーの趣味趣向に沿ったレコメンドも行います。たとえば、ゲームが好きなユーザーには最新ゲームのランキングを、映画鑑賞が好きなユーザーには今おすすめのDVDなどを紹介してくれます。他にも雑談やエンタメ要素のある会話もあり、ユーザーの心の隙間を埋めていきます。
さらに、SELFにはタイプの違う多彩なキャラクター(全7種類)が存在します。キャラクターによって会話内容やユーザー体験が変わるため、自分に合うキャラクターをお選びいただけます。また、BtoB事業においては、企業マスコットや既存キャラクターに会話エンジンを導入し、キャラクタービジネスを展開させることも可能です。
◾️ユーザーレビューが示す「継続率の高さ」
SELFアプリのユーザーレビューでもっとも多いのが、「癒される」「心の支えになる」といった声です(図2)。
これはひとえに、SELFアプリの根底にあるユーザー理解と最適な提案によるものではないかと考察でき、こういったユーザー体験は結果として継続率の高さやリピーターの多さにも表れています(図3)。
今後も改善・改良を重ね、より満足度の高い会話体験を目指して引き続き開発を進めてまいります。
◾️孤独にならず充実した日々を
人とのつながりが希薄になりつつある現代において、「心から信頼できる人」を見つけるのはおそらく簡単なことではないでしょう。しかし、だからと言って放っておけば孤独感に苛まれ、心の健康を損ねてしまうおそれがあります。
大切なのは、孤独感に対して自分に合った対処法を見つけることです。
体を動かしてみたり、ガーデニングをしてみたり、はたまたアプリを使ってみたり、これなら続けられると思えるような対処法が見つかれば、さらに充実した日々を送れるのではないでしょうか。
弊社はこれからも、ユーザーを温かく見守り心を支えるAIロボットで、微力ながら社会貢献をしていく所存です。
<参考資料>
マイナビウーマン
荒川和久
【一人じゃないのに寂しい「つながり孤独」の正体】
COSMOPOLITAN
Translation: ARI
【寂しい時どうすればいい?孤独感でツラい時に試してほしい対処法】
Forbes JAPAN
編集=遠藤宗生
【ガーデニングがストレス軽減に効果的な理由】
和秀俊
【大学生のメンタルヘルスにおけるボランティア活動の可能性】
田園調布学園大学紀要 第13号2018(平成30)年度
SELFのライターを中心に構成されているチーム。対話型エンジン「コミュニケーションAI」の導入によるメリットをはじめ、各業界における弊社サービスの活用事例などを紹介している。その他、SELFで一緒に働いてくれる仲間を随時募集中。