こんな方にオススメ! ・観光のDX、デジタル化の事例が知りたい方 ・観光情報サイトをもっと役立つものにしたい方
目次
◾️地域活性化のカギを握っている「デジタル化」
新型コロナウイルスによる影響は多方面に及んでいますが、中でも大きな打撃を受けているのが観光業界です。政府は、2022年から実施する地方創生関連の交付金の支給について、自治体によるデジタル技術の活用を要件としており、観光庁が主体となって自治体のデジタル化を後押ししています。メリットとしては主に、
- 人手不足解消
- 地域商材のオンライン販売
- 情報共有・情報管理の簡易さ
- コミュニケーションの利便性
その他様々ありますが、特にコミュニケーションに関しては、オンラインによるリモートワークは遠隔地の人々とのコミュニケーションをより身近なものにしたり、VR・ARの発達は自宅にいながら遠出しているかのような擬似体験も可能にしています。
日本には多くの観光地が存在し、魅力がたくさん眠っています。各地域ならではの「ヒト・モノ・コト」を通じて、そういった魅力をデジタル化によって体感することができるのです。
◾️デジタル化が遅れている日本
ただ現状、日本の自治体ではデジタル化が著しく遅れています。
自治体含め、すべての地方公共団体を対象にDX(=デジタル化により人々の暮らしをより良いものに変革すること)の成熟度調査を実施したところ、レベル1未満のいわゆる未着手状態である自治体が約8割に上っていることがわかっています(図1)。民間企業ではレベル1未満が3割弱であることを踏まえると、自治体のデジタル化の遅れは深刻と言えるでしょう。
◾️デジタル化が遅れている原因は3つ
デジタル化が遅れている原因としては、主に3つ考えられます。
- 資金(デジタル化に必要な投資ができない)
- 目的が不明瞭(デジタル化で何をしたいのか)
- 人材不足(担当者に知見がないor人材確保・人材育成ができていない)
世界的に見ると、日本ではIT人材がIT産業に集中し、公的機関にITに精通する人材が不足している傾向にあります(図2)。たとえ供給側が優れたシステムを構築しても、資金面や運用面などがネックとなり、自治体がシステムを発注しなければ宝の持ち腐れとなってしまいます。
また、地域課題があることも否めません。各府省、地域でバラバラとなっている情報システムを標準化・共通化し、クラウド活用の促進等を進めることは急務でしょう。
しかし、こういった状況を逆にチャンスと捉えれば、新たなビジネスモデルを生む機会にもなり得ます。コロナ禍で外出がしづらい中、TABICAやACTIVITY JAPANといった旅行事業者や、JTBをはじめとする大手旅行会社がオンラインツアーを打ち出し、新たな取り組みに力を入れています。観光庁でもデジタル技術の導入を積極的に行なっており、こういった取り組みは新しい観光スタイルを切り開くひとつのヒントとなるかもしれません。
◾️観光DXの事例
日本では、観光DXの取り組みをしている地域があります。
・地域コイン「さるぼぼ」
岐阜県にある高山市・飛騨市・白川村の3自治体が、「さるぼぼコイン」という地域限定の電子通貨を発行しています。スマホアプリ上で簡単に決済ができるというものです。
- 2次元コードで簡単決済
- チャージ時にプレミアポイントがついてお得
- キャッシュレスで便利
- ひだしんの通帳からチャージ可能
- チャージ機でチャージ可能
- Bankユーザー間で送金可能
こういったメリットを打ち出し、2021年8月末時点でユーザー数は約2万2,000人、加盟店舗数は約1,630店と基幹産業である観光を地域全体で盛り上げています。
また、世界でも観光DXの一貫で様々な取り組みをしています。
・Trip Hacks DC
@triphacksdc One spot. Three iconic DC sites. #washingtondc #dc #nationalmall #washingtonmonument #capitol #lincolnmemorial #washingtondctrip ♬ Superman – The BBC Concert Orchestra
ワシントンD.C.でタウンツアーのガイドを行う「Trip Hacks DC」は、TikTokを使って1日1本動画を投稿し、ゼロからスタートしたにもかかわらず31日間で約25万人の目に触れることに成功しています。
ちなみにもっとも再生されたのは、ワシントン記念塔のそばからワシントンD.C.の遺跡を見渡す動画で、これまでに32万回以上再生されています。YouTubeやInstagram、TwitterといったSNSではなく、TikTokというツールでアピールしたことで新たなユーザーを獲得できたのではないでしょうか。
・サンタフェ観光局
ニューメキシコ州にあるサンタフェ観光局は、「Dream Now, Visit Later(今すぐ夢を見て、あとで訪れよう)」というキャンペーンを行なっています。
- SNSやブログの発信
- サンタフェオペラのリスニングパーティー
- バーチャルアーティストのスタジオ訪問
こういったバーチャル体験を地元クリエーターたちが企画しており、コロナ禍が落ち着いて旅行ができるようになったらサンタフェに来てもらいたいといった狙いがあります。コンテンツが頻繁に投稿されているのも、ユーザーを惹きつける要因の一つとなっているのかもしれません。
◾️あなただけの旅行プラン「AI旅のしおり」とは?
ここで、SELFは「AI旅のしおり」というサービスをご紹介します。
文字通り、AIがユーザーに最適な旅行プランを提案し、一冊の旅のしおりのようにプランをまとめてくれるサービスです。画面上に存在するAIキャラクターと会話をし、質問に答えていくことでユーザーを理解していきます。そうやってユーザーの希望や好みを踏まえた上でオススメのスポットなどを紹介し、ユーザーにとって最適な旅行プランを提案してくれるのです。自治体側はサイトに掲載するだけなので、以下のようなメリットがあります。
- 運用が簡単
- 人材コストがかからない
- ITなどの専門知識は必要ない
- 旅行計画のサポートという明確な目的がある
- 地域課題・地域格差に関与しない
新型コロナウイルスの猛威が収まり、気兼ねなく外出できるようになれば、今まで制限されていた旅行や観光などの需要が一気に増える可能性があります。また、旅行への警戒心・恐怖感などが拭えない人に対しても、いろいろと想像しながら旅行プランを練るという行為自体が旅行や観光への潜在意識を刺激し、興味を持ってもらうきっかけとなるかもしれません。
「AI旅のしおり」についての詳細はこちらの記事をご覧ください。また、資料請求も可能ですので、下記の「資料DLはこちら」ボタンからお気軽にお問い合わせください。
◾️観光DXで人々を笑顔に
観光庁によると、2021年6月時点で5の開発事業と12の活用事業を発表しており、斬新な発想や新たな視点による観光DXが進められています。
携帯電話が普及し、いわゆる「ガラケー」が全盛だった頃、スマートフォンの登場に誰もが驚きと戸惑いを抱いたのではないでしょうか。しかし、それが人々のニーズに合致すればいつしか当たり前の存在となり、我々にとってなくてはならないものとなるでしょう。
デジタル化へ向けての課題は山積みですが、観光DXによる地域活性化は人々の暮らしを豊かにし、笑顔にする大きな一手となるかもしれません。
〈参考資料〉
【デジタルトランスフォーメーション研究所 自治体DX、8割が未着手、成熟度は民間企業の半分以下】
【経済財政白書2021】
【内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生】
【デジタルエージェンシー INFOBAHN】
【電子地域通貨さるぼぼコインのご案内】
SELFのライターを中心に構成されているチーム。対話型エンジン「コミュニケーションAI」の導入によるメリットをはじめ、各業界における弊社サービスの活用事例などを紹介している。その他、SELFで一緒に働いてくれる仲間を随時募集中。