近年、AI技術の進化により、様々な業界で自動化と効率化が進んでいます。その中でも、自然言語処理技術を活用したGPT(Generative Pre-trained Transformer)モデルは、情報検索や種々の業務効率化に革命をもたらしました。この記事では、GPT連携ボットを導入し、社内の情報検索プロセスを効率化する方法について詳しくご紹介します。
目次
◇GPT連携ボットのビジネス利用
◆GPT連携ボットとは?
GPTの自然言語処理技術を使い、まるで人間が応対しているような自然なテキストを生成できるのがGPT連携ボットです。膨大な量のデータを自動で解析し幅広い質問に回答できるため、様々な用途に活用できます。社内ナレッジ検索などの業務効率化や、Webサイトの案内や問い合わせ対応といったカスタマーサポートにも利用されています。
GPT連携ボットのカスタマーサポート利用についてはこちらの記事もご覧ください。
◇社内情報検索の課題と解決策
業種や職種に関わらず、ビジネスの現場において情報収集は重要です。業務を遂行する上で必要な情報を入手したり、生じた疑問を速やかに解消することができなければ、生産性が低下してしまいます。ビジネス現場における従来の情報検索には、下記のような課題があると考えられます。
◆従来の情報検索の課題
- データ量が多すぎて必要な情報が見つけられない
- 蓄積されたデータが適切に管理されておらず、情報の鮮度や正確性が判断できない
- リモートワークの普及などによって上司や同僚に気軽に質問できない
近年ではあらゆる分野でデジタル化が進み、社内ナレッジや事務書類、営業資料、会議の議事録など、あらゆる文書・資料をデータ化し管理することが一般的になっています。その結果、膨大な量のデータがクラウドストレージやファイルサーバ上に蓄積され、必要な情報をピックアップするのも一苦労、という場面も多いのではないでしょうか。
また、リモートワークの普及によって社内の情報共有が難しくなった、という声もあります。オフィスでの勤務時は気軽に上司や専門知識を持った社員に質問して得られていた情報が、リモートワークでは質問自体がしづらくなり、自力で情報を探すしかないという状況は想像に難くありません。業務上で発生した疑問を速やかに解消し生産性を向上させるためには、社内情報を適切に管理し、効率よく引き出せる仕組みが必要です。
◆GPT連携ボットの情報検索能力
GPTをはじめとするLLM(大規模言語モデル)と連携したツールを導入することで、上記のような社内情報検索の課題を解決することができます。
たとえば、短いキーワードを入力するだけでボットがデータを検索し、関連性の高い情報を提示する「社内ドキュメント検索ボット」の活用です。クラウドストレージやサーバのファイル検索機能でも関連するデータが含まれるファイルを探すことはできますが、その中から目的の情報を見つけ出すのはユーザーです。その点、LLMと連携したボットは関連するデータを解析し、必要な箇所を抽出して自然なテキストでユーザーに提示することができます。つまり、ファイルの検索だけでなく情報の抽出、要約まで同時にできるということです。
また、こういったボットを従来のシナリオ型チャットボットで構築しようとすると、膨大な手間が発生していました。想定される質問やキーワードと、その回答として出力されるテキストを網羅したシナリオを作成しなければならないからです。しかしGPTのテキスト解析、生成能力を利用すれば、そういったシナリオ作成の手間が一切不要で、シナリオ型よりも幅広い質問に答えられるボットを簡単に構築することができるのです。
◇GPT連携ボットの社内活用メリット
◆社内情報検索の効率化
上述したように、GPTなどのLLMと連携したボットを使えば効率よく社内のあらゆる情報にアクセスできます。さらに学習するデータの範囲を用途に合わせて限定することで、特定の職種や新入社員教育に特化したボットを作成すれば、さらに効果的な活用が見込めるでしょう。
◆情報収集における他者への気遣いが不要
専門的な知識を持った社員が頻繁に質問される項目をあらかじめボットに学習させておくことで、情報共有の効率化を図ることもできます。当然ながら、ボットはいつでも何度でも質問に答えることができるので、「何度も同じことを聞くのが申し訳ない」「質問することで相手の業務の邪魔になるのではないか」といった対人コミュニケーションにおいて生じがちな遠慮や気遣いは不要です。
◆文章の作成、翻訳などGPT本来の機能も使える
GPTなどのLLMと連携したボットは、当然ながら連携先のLLMの基本的な機能を備えています。GPTと連携したボットなら、GPTが得意とするビジネスメールなどの文章作成や翻訳に活用することも可能です。また、作成したテキストをさらに効果的なテキストへと改善するといった活用法も考えられます。こうしたGPT本来の機能をAPI経由のセキュアな環境で利用できることも、GPT連携ボットのメリットと言えるでしょう。
◇GPT連携ボットを社内利用する際の注意点
◆情報の精度を上げる工夫
GPT連携ボットを社内で利用する場合、気になるのはその精度です。質問に対して正確な回答を出力するためには、学習データや質問の仕方に一定の規則を設け、共通化することが有効です。
たとえば、社内会議の議事録を学習データとして利用する場合、元々の議事録に必ず「決定事項」という見出しをつけて記載するようにします。そうしておけば、社員が後から「先月の会議での決定事項は?」とボットに質問した場合、その情報が記載された箇所を正確に抽出することができます。
このように、GPT連携ボットは学習データや質問の仕方を工夫することで精度を高めることができるのです。
◆セキュリティ上の懸念への対策
GPTをはじめとするLLMと連携したサービスは、外部のクラウドサーバとデータの送受信を行うため、機密情報の漏洩などセキュリティ上の懸念があります。そのため、利用に際してはデータの暗号化やアクセス制御などの対策が必要となります。また、社員が顧客の個人情報などの機密情報をボットに入力しないよう、社内で厳格なルールを策定しておくことも重要です。
LLMのビジネス利用におけるセキュリティについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
◇社内利用にオススメのGPT連携サービス
現状、LLMと連携したボットは提供されている各種APIやオープンソースのLLMサービスを利用し、自社で構築することも可能です。しかし、上記のような懸念に対して社内で十分な対応が難しい場合は、専門的な知見と実績を持ったパートナーを選ぶことが重要といえるでしょう。
こちらでは、社内利用におすすめのGPT連携サービスをご紹介します。
◆GPT連携「SELFBOT」
「SELFBOT」はSELF株式会社(弊社)の提供するGPT連携ボットサービスです。
Azure OpenAI Service(API)経由でGPTと連携し、自動データ学習によって高精度のオリジナルチャットボットを低コスト、短納期で導入可能です。また、学習データとして登録できるリソースはテキストデータのみならず、PDF、PPTファイルの登録も可能です。また、URLを指定するだけでWebページを学習させることも可能です。
SELFBOTの機能、導入プランについての詳細は、こちらをご覧ください。
◆社内利用に特化したユーザー画面
SELFBOTは社内利用に特化したユーザー画面を提供しており、アカウントごとに利用画面を切り替えることができるので、利用者は自分専用の画面でボットを利用することができます。また、複数のボットを登録可能なため、部署ごとのナレッジに特化した専用ボットや新入社員教育用のボットなど、より特定の用途に特化した複数のボットを同時に運用することができます。
◆セキュリティも万全
SELFBOTはAzure OpenAI Service(API)を利用しているため、GPTの機能をきわめてセキュアな環境でお使いいただくことができます。また、電話番号やメールアドレスの入力をバリデーション処理によって制限する機能も備えており、セキュリティも万全です。
SELFBOT導入につきましては、お問い合わせページよりぜひお気軽にお問い合わせください。
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