2023年11月に行われたOpenAI DevDayで、GPTファミリーの最新モデル「GPT-4 Turbo」が発表されました。その後プレビュー版の公開を経て、2024年4月には正式版がリリースされています。
では、GPT-4 Turboはこれまでに公開されていたGPT-3.5やGPT-4と何が違うのでしょうか。
この記事では、GPTファミリーの最新モデルである「GPT-4 Turbo」の特徴とGPT3.5やGPT-4との違いを解説します。
目次
◇GPT-4 TurboとGPT-3.5 Turbo、GPT-4との違い
◆入力可能な文字数が大幅に増加
GPT-4 TurboはGPT-4の約4倍のトークンを入力可能です。トークンとは、文字のデータ量を表す単位です。GPT-4 Turboが処理できるトークン数は128kで、これは300ページの書籍に相当する文字数だそうです。このように大量のトークンが処理できることで、書籍や論文を丸ごと入力して要約や翻訳、解説をさせるといった使い方ができるようになりました。
◆画像、音声データも処理できるマルチモーダルAI
GPTといえば自然言語処理による柔軟なテキスト生成が得意なAIモデルというイメージが強いですが、GPT-4 Turboはテキストに加えて画像データも処理可能なマルチモーダルバージョン「GPT-4 Turbo with Vision」を備えています。
画像データを処理できるようになったことで、入力された画像の内容を解析してテキストで説明する、画像に含まれる文字を翻訳する、といったタスクが可能になりました。さらに画像の生成を要求すると自動で画像生成AI「DALL-E3」を呼び出し、画像生成まで行うことができます。
また現時点(2024年5月)ではプレビュー段階ですが、テキストを自然な音声で読み上げる「テキスト読み上げモデル」も公開されており、追って正式版がリリースされると思われます。
◆高度なプログラミングタスクに対応
GPT-4 TurboにはJSON形式のデータ処理やAPI連携が可能となるJSONモードが搭載され、より高度なプログラミングタスクに対応できるようになりました。また、以前から備わっていた関数呼び出し機能「Function Calling」が強化されました。1回の命令で複数の関数を呼び出せるようになり、呼び出しの精度も向上。より複雑なタスクを効率よく実行できるようになりました。
◆2023年4月までの情報を学習済み
GPTはWeb上のテキストをトレーニングデータとして利用していますが、その情報の鮮度はモデルによって異なります。たとえばGPT-3.5の場合「2021年6月」までの情報しか学習しておらず、GPT-3.5 TurboやGPT-4でも「2021年9月」までの情報しか学習していません。
GPT-4 Turboは情報鮮度の点でも大きくアップデートされており、「2023年4月」までの情報を学習済みです。これにより、従来のモデルよりも新しい情報を提供できることになり、ハルシネーション(誤情報の提供)のリスクも抑えられます。
◆GPT-4よりも低価格で利用可能
GPT-4 TurboはGPT-4の高度な性能をベースとして様々なアップデートが追加されていますが、APIの利用料金はGPT-4よりも抑えられています。さすがにGPT-3.5よりは高価ですが、GPT-4を超える先進モデルを低価格で利用できることは、利用者にとって大きなメリットといえるでしょう。
価格と性能を鑑みると、今後API利用においてGPT-4を選択すべき場面はなくなるでしょう。
価格を重視するならGPT-3.5 Turbo、性能を重視するならGPT-4 Turbo、と使い分けることになりそうです。
◇GPT-4 Turboを利用する方法
GPT-4 Turboは開発者向けに最適化されたモデルであるため、利用するにはAPIを取得するか、GPT-4 Turboと連携済みのサービスを利用する必要があります。Webで公開されているChatGPTでは、有料版であってもGPT-4 Turboは使えません。
◆API経由で利用する
GPT-4 Turboが利用できるAPIは「OpenAI API」や「Azure OpenAI Service」から入手できます。各サービスには利用可能なリージョンやセキュリティ面で違いがあります。ただし、現時点(2024年5月)では、いずれのサービスでもGPT-4 Turboを日本のリージョンで利用することはできず、海外のリージョンを使う必要があります。
ちなみにリージョンとはクラウドサービスのデータセンターが配置されている場所のこと。通信を行う場所に近いリージョンを利用することで、通信速度などのパフォーマンスが最適化されます。
◆連携済みのサービスを利用する
自らAPIを取得しなくても、GPT-4 Turboと連携済みのサービスを利用する方法もあります。
Microsoftが提供するAIアシスタント「Microsoft Copilot」に搭載されているGPTは、いち早くGPT-4 Turboにアップデートされ、現在は無料・有料問わず、誰でもGPT-4 Turboによるチャットを体験することが可能です。
またGPTと連携したAIチャットボットなどの外部サービスやツールも数多くリリースされています。今後はGPTと連携した様々なサービスやツールにおいてもGPT-4 Turboとの連携が進められていくと思われます。
◇オススメのGPT-4 Turbo対応サービス
Microsoft Copilotの他にも、GPT-4 Turboと連携しているサービスはあります。
SELF株式会社(弊社)が提供する生成AIチャットボット「SELFBOT」もその一つです。
◆GPT-4 Turbo連携「SELFBOT」
「SELFBOT」はAPIを通してGPTと連携しています。
ユーザーからの幅広い質問に柔軟な回答を提供し、カスタマーサポートや社内の情報共有効率化など様々な目的でお使いいただけます。
ひとつのアカウントで複数のチャットボットを構築・運用可能で、ロボットごとに連携するモデルを選択できます。低価格で運用できるGPT-3.5 Turboはもちろん、最先端モデルのGPT-4 Turboとも連携可能です。
(GPT-4 Turboと連携する場合は、海外リージョン利用となります。また、GPT-4、GPT-4 Turboをご利用の場合、通常の料金体系と異なる場合があります。詳しくはお問い合わせください)
◆より高精度の回答提供が可能に
SELFBOTはChatGPTの自然言語処理に加え、RAG(検索拡張生成)の仕組みを採用し、精度の高い回答生成が可能です。さらに、連携するGPTのモデルをアップグレードすることにより、より高度な回答のコントロールが可能となり、ハルシネーションの抑制にもつながります。
多数の導入・運用実績によって培われた専門知識を持つスタッフが導入から運用までをサポート。最適なプランをご提案します。
◆まずはトライアルプランで検証を
SELFBOTには目的に合わせて選べるトライアルプランがあります。無料トライアルでも専用の管理画面から設定可能なすべての機能を利用することができ、閲覧中URLやキーワード登録によるカテゴリ設定も可能です。
(GPT-4 Turboとの連携は個別対応が必要となります。無料トライアルではご利用いただけません)
SELFBOTはGPT-4 Turboとの連携をはじめ、最先端の機能をサービスに反映し、導入各社よりご好評をいただいています。専門知識がなくとも手軽に導入可能なSELFBOTを通じて、世界最高レベルのAIモデル「GPT-4 Turbo」の革新的な機能をぜひご体験ください。
SELFのライターを中心に構成されているチーム。対話型エンジン「コミュニケーションAI」の導入によるメリットをはじめ、各業界における弊社サービスの活用事例などを紹介している。その他、SELFで一緒に働いてくれる仲間を随時募集中。