近年、AIエージェントを活用した業務効率化に注目が集まっています。
AIエージェントは様々な領域において高度な自動化を実現できる非常に汎用性の高い技術です。それだけに「どんな業務から自動化すればいいのか?」と迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
この記事では、注目が集まるAIエージェントの基本を解説し、実際にどのような課題に対して活用できるか、期待される効果と併せて紹介しています。
目次
◇AIエージェントとは?
AIエージェントとは、人工知能(AI)を活用して人間の代わりにタスクを実行する自律型のプログラムのことです。従来の単純な自動化ツールとは異なり、AIエージェントは「理解」「判断」「実行」のプロセスを自律的に行うことができます。
具体的には、自然言語での指示を理解し、必要な情報を収集・分析し、最適な行動をとることが可能です。たとえば、営業メールの作成・送信、顧客対応の自動化、データ分析、スケジュール調整、さらには社内文書の要約やレポート生成など、人間の知的業務をサポート・代替する領域が広がっています。
◆AIエージェントが注目される理由
AIエージェントがここ数年で急速に注目されている背景には、次の3つの要因があります。
- 生成AI技術の進化
ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデル(LLM)の登場により、自然言語での高度な理解と出力が可能になりました。 - 業務のデジタル化・リモート化
コロナ禍をきっかけにデジタルツールの利用が拡大し、AIが実際の業務フローに組み込まれやすくなりました。 - 人材不足とコスト削減ニーズ
特にバックオフィスやカスタマーサポート領域では、AIエージェントが人的リソース不足を補うことで、業務効率化が期待されています。
AIエージェントは単なる“自動化”のためのツールではなく、人間の思考を模倣し、判断力を持つ存在としての活用が期待されているのです。
◇AIエージェントは何に使える?
AIエージェントの用途は非常に広く、業界・業種を問わず応用が可能です。ここでは、どのような業務に適しているのかを整理します。
◆効果的な業務領域
AIエージェントの導入効果が特に大きいのは、以下のような業務領域です。
- ルーチンワークの自動化
定型メール送信、スケジュール調整、請求処理などの繰り返し業務。 - 情報収集・要約
ニュース、競合動向、SNS分析などから必要情報をまとめて報告。 - コミュニケーションサポート
チャットボットやAIコンシェルジュが顧客や社内メンバーと自動で対話。 - データ分析・レポート作成
データの整理・可視化をAIが担当し、意思決定スピードを加速。 - クリエイティブ業務支援
広告文、画像、動画、音声などの制作支援。
AIエージェントの導入は「最新技術を試したい」という発想ではなく、“人が苦労している領域をAIに任せる”という課題起点の発想を持つことが重要です。したがって、導入前に「どんな業務を自動化したいか」という目的と課題の整理が必須です。AIエージェント活用による自動化が有効な業務領域は「繰り返し作業 × 判断が必要な業務」と言えるでしょう。

◇具体的な活用例10選
ここでは、実際にAIエージェントが活躍しうる代表的な10の業務例を紹介します。これらの業務に課題を感じている企業はAIエージェントによる業務効率化が有効な可能性が高いと言えるでしょう。
① カスタマーサポート自動化
課題:
サポート部門では、同じような質問対応に時間がかかり、オペレーターの負担が増大。夜間対応が難しく、顧客満足度も低下していた。
AIエージェントの活用例:
チャットボット型AIエージェントを導入し、FAQデータベースと連携。ユーザーとの対話により問い合わせ内容を正確に理解し、自然な回答を提供するよう設定。未解決の質問のみオペレーターによる有人対応に引き継ぐ仕組みを構築。
期待される効果:
問い合わせ対応時間が短縮され、24時間対応が可能に。簡単な問い合わせはエージェントによる自動対応で完結。オペレーターが複雑な問い合わせへの対応に集中できるようになり、対応工数を削減しつつ、顧客満足度が向上。
② 営業メールの自動生成・送信

課題:
営業担当者が1通ずつ手作業でメールを作成しており、非効率。文面の品質も担当者によってばらつきがあった。
AIエージェントの活用例:
顧客属性・過去の購買履歴・商談履歴をもとに、AIがパーソナライズされたメール文面を自動生成。営業支援ツール(CRM)と連携し、自動送信・結果分析までを自動化。
期待される効果:
メール作成工数を大幅に削減。パーソナライズされた文面により開封率が向上し、商談化率も向上。営業チームは戦略的なアプローチに集中できるように。
③ 会議議事録の自動生成
課題:
リモート会議の増加により、議事録作成が負担に。議事録漏れや担当者の聞き逃しも課題に。
AIエージェントの活用例:
会議音声を自動で文字起こしし、重要な発言・決定事項を要約。参加者ごとの発言分析やタスク抽出も行う。TeamsやZoomと連携し、会議後すぐにレポートを共有。
期待される効果:
議事録作成時間がゼロに。参加者全員が内容を即時確認でき、タスクの抜け漏れも減少。週に数時間の業務削減に。

④ スケジュール調整・タスク管理の自動化
課題:
社内外の会議日程調整に時間がかかり、やりとりが煩雑。タスクの進捗も個人管理に依存していた。
AIエージェントの活用例:
カレンダー情報を読み取り、関係者全員の空き時間を自動提案。また、チームメンバーのタスク進捗を監視し、リマインドや優先度調整をAIエージェントが代行。
期待される効果:
会議設定にかかるメールでの調整が不要に。チーム全体の生産性が向上し、プロジェクト管理の透明性も向上。
⑤ SNS運用・マーケティング支援
課題:
広報担当者がSNS投稿を手動で行っており、投稿時間やトーンの統一が難しい。分析も手間がかかっていた。
AIエージェントの活用例:
過去の投稿データやフォロワー反応を分析し、最適な投稿内容・時間を自動提案。トレンドに基づくハッシュタグやコメント返信も自動対応。
期待される効果:
エンゲージメント率が上昇。人員を増やすことなく複数アカウントの同時運用が可能になり、ブランドの一貫性も強化された。

⑥ 市場調査・競合分析の自動化
課題:
マーケティングチームが競合情報や業界動向を手動で収集しており、更新頻度が低く情報鮮度に課題があった。
AIエージェントの活用例:
指定キーワードをもとにニュースサイトやSNSをクロールし、週次レポートを自動生成。トレンドの変化をグラフで可視化。
期待される効果:
調査作業が自動化され、担当者のリサーチ時間を大幅に削減。市場動向の変化に即応できる体制を構築。
⑦ 採用業務の効率化
課題:
応募者対応・面接調整・履歴書チェックなど、採用業務が人手依存で処理が追いつかない。
AIエージェントの活用例:
応募者の経歴を解析し、スキルや経験を自動評価。面接日程の調整メールもAIが自動で送信。採用進捗をダッシュボードで可視化。
期待される効果:
採用プロセスが短縮。人事担当者は候補者とのコミュニケーションに集中でき、内定承諾率が向上。

⑧ 経理・請求処理の自動化
課題:
領収書入力や請求書作成に多くの手作業が発生。ヒューマンエラーも頻発していた。
AIエージェントの活用例:
OCR+生成AIで書類を読み取り、自動で仕訳や金額確認を実施。請求書テンプレートを自動生成し、会計システムと連携。
期待される効果:
経理・精算業務にかかる時間が大幅に削減。入力ミスが激減し、月次締めがスムーズに。担当者の残業も大幅に減少。
⑨ ドキュメント作成・ナレッジ共有
課題:
社内マニュアルや提案書作成に時間がかかり、内容が属人化していた。ドキュメント検索も非効率。
AIエージェントの活用例:
過去資料や議事録を読み込み、目的に応じたドキュメントを自動生成。RAG(検索拡張生成)との連携により、チーム全体でナレッジを共有可能に。
期待される効果:
ドキュメント作成時間が大幅に短縮。誰でも最新の資料にアクセスでき、ナレッジの再利用率が向上。

⑩ 顧客データ分析とパーソナライズ提案
課題:
顧客データは蓄積されているが、分析に手が回らず、活用できていなかった。マーケティング施策も画一的だった。
AIエージェントの活用例:
CRM内の顧客行動データをAIが分析し、購入傾向や離脱リスクをスコアリング。個別に最適な商品提案を自動生成し、メールやLINEで送信。
期待される効果:
顧客のリピート率が増加。キャンペーン効果の測定も自動化され、データドリブンな意思決定が可能に。
◇AIエージェント導入のステップ
AIエージェント導入には、いくつかのステップを踏むことが重要です。
- 目的の明確化
「何を自動化したいのか」「どんな成果を出したいのか」を明確にします。目的が曖昧だと導入しても的確に運用できず、効果も見えにくくなります。 - 業務の棚卸し
現状の業務を洗い出し、AIに任せられる領域を特定します。「繰り返し作業×判断が必要」な領域がAIエージェントによる自動化に適しています。 - ツール選定と連携
AIエージェント単体ではなく、既存システム(CRM、コミュニケーションツール、データストレージなど)との連携性を確認します。また、SaaS型のツールを導入するか、オーダーメイド型の個別開発を行うかによって、コストや導入にかかる期間が大幅に変動します。 - トライアル導入
小規模な範囲でテスト運用し、精度やROI(投資対効果)を確認します。タスクの実行数などによって運用コストが変動する場合が多いので、本格導入後のコストシミュレーションを入念に行いましょう。 - 本格運用と改善
本導入後も定期的に運用データをチェックし、意図通りの運用ができているか確認が必要です。
◇SaaS型か、個別開発か
AIエージェントを導入する際、SaaS型のツールを選ぶか、オーダーメイドの個別開発を行うかによって、機能、コスト、導入までの期間が大きく変わります。以下にそれぞれのメリットと留意点を整理します。
SaaS型AIエージェントのメリット
- 初期費用が低く、導入が迅速
- メンテナンスやアップデートが自動
- 他ツール(Slack、Google Workspace等)との連携が容易
- トライアル運用が可能でスモールスタートに最適
SaaS型AIエージェントの留意点
- カスタマイズ性が低く、機能制約がある
- 外部サービス依存によるセキュリティ/継続性リスク
- 利用料が従量課金の場合、長期ではコスト増になる可能性
個別開発のメリット
- 自社固有の業務フローやデータベースと密接に連携可能
- セキュリティ要件を自社基準で管理できる
- 生成内容・会話フローを細かく制御可能
- 長期的には業務への最適化効果が大きい
個別開発の留意点
- 初期開発コスト・期間が嵩む
- 要件定義・チューニングに専門知識が必要
- 運用・保守を自社で行う体制が求められる
- 技術進化への追従コストが発生する
AIエージェントを導入する際は、まず目的を明確化し、業務の効率化に必要な要件に応じてSaaS型のツールを選ぶか、個別開発を行うかを検討しましょう。
◇おすすめの業務効率化ツール
SELF株式会社の提供する「SELFBOT」は高い回答精度と使いやすい管理画面を備えたRAGツールです。
- 独自の精度向上機能によって柔軟かつ正確な回答を提供
- 顧客対応、社内利用のそれぞれに特化したサービスを展開
- 問い合わせ対応、資料検索、文書解析・要約、Web検索など多様な機能を備え、汎用性が高い
- Teams、Slack、SharePointなどのツールともスムーズに連携可能
- 高度なセキュリティで大手企業、大学への導入実績が多数
サービスの詳細は各サービスページをご覧ください。
→SELFBOT 顧客対応:https://self.systems/selfbot/
→SELFBOT 社内利用:https://self.systems/selfbot-inside/

また、SELF株式会社では「SELFBOT」の具体的な活用方法を紹介するオンラインセミナーも定期的に開催しています。
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SELFのライターを中心に構成されているチーム。対話型エンジン「コミュニケーションAI」の導入によるメリットをはじめ、各業界における弊社サービスの活用事例などを紹介している。その他、SELFで一緒に働いてくれる仲間を随時募集中。



