生成AIの登場以降、多くの企業がChatGPTをはじめとするAIツールに触れ、「業務に使えそうだ」という感覚を持つようになりました。しかし2026年に向けて、企業間で明確な差が生まれつつあります。それはAIを“使っている企業”と、“成果を出している企業”の差です。
総務省「令和7年版 情報通信白書」によれば、日本における生成AIの利用経験は急速に拡大していますが、その一方で、企業の競争力向上や事業変革にまで結びついている事例は限定的であることが示唆されています。
つまり今後は、「AIを導入しているかどうか」ではなく、どのように設計し、業務に組み込み、継続的に使われているかが問われる段階に入ったと言えます。
目次
◇ 2026年の企業におけるAI活用トレンド|「実験」から「実装」の時代へ
◆ 日本企業の生成AI利用は拡大しているが、国際的にはまだ遅れている
令和7年版情報通信白書によると、日本で「生成AIを使ったことがある」と回答した個人の割合は26.7%に達しました。これは前年から大きく伸びており、生成AIが一部の専門家だけのものではなく、一般層にも浸透し始めていることを示しています。
しかし、同白書では国際比較も行われており、米国(約68.8%)、中国(約81.2%)と比べると、日本の利用率は依然として低い水準にあります。
この差は単なる流行の違いではなく、企業における業務活用・教育・制度設計の遅れを反映していると考えられます。
(出典:総務省『令和7年版 情報通信白書』)

◆ 企業のAI活用は「導入検討」から「方針策定」へ
企業側に目を向けると、生成AIの導入そのものは確実に進んでいます。日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2025」によれば、生成AIを導入済み、または導入準備中の企業は41.2%に達しており、1年前から約14ポイント増加しました。
(出典:JUAS『企業IT動向調査2025』)
一方で、情報通信白書が指摘している重要なポイントは、「活用方針を明確に定めている企業は約半数にとどまる」という点です。
つまり、多くの企業が「とりあえず触ってみる」段階には進んだものの、全社的な活用を前提とした設計には至っていないのが実態です。
◇ AI活用に成功する企業の共通点
◆ 成功企業の共通点①:AI導入の目的が極めて具体的である
AI活用に成功している企業は、「AIを使うこと」自体を目的にしていません。
彼らが設定しているのは、
- 問い合わせ対応の工数を◯%削減する
- 属人化している業務ナレッジを全社で再利用可能にする
- 新人が即戦力化するまでの期間を短縮する
といった、業務レベルで測定可能な目的です。
情報通信白書でも、生成AIを活用している企業の多くが「業務効率化」「人手不足への対応」を主な効果として挙げており、目的が明確な企業ほど導入効果を認識しやすい傾向が示されています。
(出典:総務省『令和7年版 情報通信白書』)
◆ 成功企業の共通点②:全社で使う前提の「方針」と「ルール」がある
生成AI活用で成果を出している企業のもう一つの特徴は、利用方針やルールを事前に整備している点です。
同白書によれば、生成AIの活用方針を策定している企業は約49.7%にとどまっていますが、方針策定済みの企業ほど、部門横断での活用や継続利用が進んでいることが示唆されています。
これは裏を返せば、
方針がない企業では「使っていいのか分からない」「どこまで入力していいのか不安」という理由で、現場が使わなくなるということです。

◇ AI活用に失敗する企業の典型パターン
◆ 失敗パターン①:「とりあえずChatGPTを使わせている」
最も多い失敗例は、汎用的な生成AIツールを配布しただけで終わっているケースです。
この場合、最初は物珍しさから使われますが、
- 自社の業務やルールに合わない
- 社内資料や過去事例を参照できない
- 回答の正確性を担保できない
といった理由で、徐々に使われなくなります。
これはAIの性能の問題ではなく、業務設計の問題です。
◆ 失敗パターン②:「効率化止まり」で終わってしまう
情報通信白書でも、日本企業の生成AI活用は「効率化の域を出ていない」と指摘されています。
つまり、文章作成や要約といった単発的な作業は楽になるものの、業務プロセス全体の変革や競争優位の確立には至っていないのです。
この状態では、AIは「便利なツール」以上の存在にはなりません。
◇ 成功と失敗を分ける最大の分岐点は「データ活用」
◆ なぜ“汎用AI”だけでは限界があるのか
生成AIは、インターネット上の一般知識には強い一方で、自社固有のルール・製品情報・過去事例・FAQといった情報を知らなければ、業務の意思決定を支援することはできません。
情報通信白書でも、AI活用の高度化には「データの整備・利活用」が不可欠であると繰り返し言及されています。
つまり、**AI活用の本質は「AIそのもの」ではなく「データをどう使わせるか」**にあります。
(出典:総務省『令和7年版 情報通信白書』)
◆ データを活かせる企業ほど成果が出る理由
AIと自社データを組み合わせることで、以下のような変化が起こります。
- 社内問い合わせに即座に正確な回答が返る
- ナレッジが属人化せず、組織に蓄積される
- 新人・非熟練者でも高いパフォーマンスを発揮できる
研究論文においても、AI導入とデータ活用を組み合わせた企業では、生産性や収益性が統計的に向上することが示されています。
(出典: “Artificial Intelligence and Productivity”, arXiv)
◇ 2026年、企業が今すぐ取り組むべきAI活用のアクション
① 業務とナレッジを棚卸しする
まずは、「誰が・どんな質問を・どこで詰まっているのか」を洗い出すことが重要です。
ここが明確になると、AIが最も効果を発揮する領域が見えてきます。
② 社内データを“AIが使える形”に整える
PDF、Word、Excel、社内Wikiなどに散在している情報を整理し、AIが検索・参照できる状態にすることが不可欠です。
③ セキュリティとガバナンスを前提に設計する
生成AI利用の最大の懸念は、情報漏えいと誤用です。
情報通信白書でも、ルール整備とリスク管理の重要性が強調されています。
(出典:総務省『令和7年版 情報通信白書』)
◇ 2026年、AI活用の成否は「設計力」で決まる
2026年、AI活用に成功する企業は、
AIを“便利なツール”ではなく、“業務とデータをつなぐ仕組み”として設計している企業です。
逆に、目的やデータ設計を曖昧にしたまま導入した企業は、使われないAIを抱えることになります。
今、求められているのは最新技術への追随ではなく、
自社の業務とデータに向き合い、それをAIでどう活かすかを考えることです。
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