レコメンドの台頭
今日「検索する」という行為はGoogleによって完全に一般化しましたが、昨今ではSNSや動画サービスなどの一般化も伴い、情報取得の方法が「検索」のみではなくなってきました。
SNSの台頭を見てもわかるように、情報を検索からではなくだれか信頼できる、興味のある対象から収集する傾向が強くなっています。
また「Youtube」「Netflix」「Tiktok」などの動画サービスの台頭は、ユーザー主体の検索中心だったWebでの情報収集体験を大きく変化させました。
これらの大きな特徴は、ユーザー主体の検索を起点とした情報の発見ではなく、サービス主体のレコメンドを起点とした情報の発見へのユーザー体験の変化です。
Youtubeでは7割のユーザーは、ユーザー自らの検索視聴からではなく、レコメンドを起点とした視聴から始まるという記録も出ています。
出典:YouTube視聴時間の7割超はAI利用のレコメンドから–最高製品責任者が語る
出典:YouTube’s AI is the puppet master over most of what you watch
出典:Netflix視聴の75%を支えるオススメ機能の秘密
ではECではどうでしょうか。
amazon.comにおいても、すでに売上の35%〜はレコメンドエンジンによって生み出されている状態となっています。
出典:forbes:How Amazon Has Reorganized Around Artificial Intelligence And Machine Learning
出典:Amazon’s recommendation algorithm drives 35% of its sales
これらの内容から、現在の情報取得の方法は、検索だけが全てではなく、なにかしらのレコメンドによって情報を取得する傾向が強くなっているということがわかります。
SNSにおいては友人や興味のある情報を発信する人からの提案、Youtubeなどにおいては視聴傾向からの提案であり、他者からの提案というものが、情報を得るという点において受け入れられていることになります。
情報は自ら探すものではなく、向こうからやってくるものになりつつあります。
ECサイトの競争も激化
現在、EC市場規模は国内に限っても5年で1.5倍となり、今後も伸び続けると予測されています。コロナ禍による影響も鑑みると、今後ますます各社が本腰を入れEC化に着手し、サイトは増加すると考えられます。
個人においても、簡単にEC開設可能な個人向けEC制作サービスが増加してきており、ECサイト開設のハードルが低くなっています。
EC市場・EC化率・EC店舗数の拡大が進んでいる状況で、ユーザー獲得、リピーター獲得、そのための価格競争やキャンペーン競争など今後ますますECサイト間のユーザー獲得の競争が激化することが考えられます。ECサイトをオープンすれば、商品が売れるという状況は過去のものとなっています。
レコメンド化とEC化の流れは、ユーザー体験の変化とECサイトの競争激化を呼び、今後よりユーザーを主体とした購入体験の提供が必要になっていくと考えられます。
その観点からもレコメンドは必須という時代になってきており、サイトやサービスにおいて競争率を高めユーザーを確保する上では、サービス側から自ら提案を行うレコメンドの必要性が生じています。
レコメンドの例 ~Amazonを例に~
ではECサイトに レコメンドエンジンを導入すれば問題解決なのでしょうか?
ここではAmazonを例に、レコメンドエンジンの特徴、長所や弱点を分析します。
上記の画像はAmazonにおけるフロントページです。
大きな商品画像が並び、スクロールを前提としており、そのスペースを活用しレコメンドの部分に多くのスペースが利用されています。購買履歴からのおすすめや関連商品がならび、ユーザー自身に関わる商品群が表示されています。これは、離脱率が低く、継続性も高いサービスにおいては、有効かもしれません。
ただし、中小ECサイトの場合は、条件が違うため、この手法を適応するには疑問があります。
AmazonやNetflixのようにすでにユーザーの囲い込みに完全に成功し、ユーザー滞在時間や1日の訪問者数をしっかりと獲得できている巨大サービスと、中小などのECサイトにおいては、条件が変わってくるからです。
また、レコメンドの精度は会員登録制のような、ユーザー属性をしっかり確保できる状況では向上しますが、会員率が少なく属性データが十分に取れない状況では、効果が発揮されづらくなります。
中小規模の大半のECサイトの場合、大手ECと同じレ イアウトや構成にしたとしても、同等の効果が得られる とは言えません。
具体的な対処法
そこでどう対応するのかということになりますが、レコメンドを導入するにせよ、一つの対策として、ファーストビューを重視する形が考えられます。
以下のリンク(出典)はその参考になりますが、ファーストビューで可能な限りユーザーの興味を獲得するという対策は、ユーザーを購入へつなげる非常に大きな効果となります。
Amazonのようなサイトでは考えなくていいことも、中小ECサイトでは離脱率を防ぐため、ユーザーの興味を把握するためにも、素早いニーズの絞り込みが必要となるということになります。
SELFLINKのレコメンドの詳細については、以下のリンクを参考にされてください。
まとめ
現在のECでは情報を提案する重要性が増していることをご紹介させていただきました。ECサイトをより、ユーザーに効果的なものにする手法はいろいろとありますが、現在のニーズにあったEC作りの参考になれば幸いです。
ECサイトの売上にお悩みの方はぜひお気軽にご相談いただければと思います。
今後ともSELFLINKをよろしくお願い申し上げます。