株式会社東急百貨店:SELF LINK 導入インタビュー

百貨店らしいECサイトの価値をSELF LINKで高める

株式会社東急百貨店
事業戦略室 デジタル推進部 部長 須﨑氏
営業推進部 EC・通販事業部 EC推進・デジタルマーケティング担当 マネージャー 橋本氏
(取材当時)

SELFを知ったきっかけ

橋本氏:元々のきっかけはTAP(Tokyu Accelerate Program)という、スタートアップ企業の支援を通じて、ワクワクする街づくりをしようという東急株式会社のプログラムに参加いただいたことがきっかけです。そこでSELF LINKのサービスについてプレゼンしていただいたんですが、サービスの魅力や構想を聞いた上で、POC(実証導入)のご提案をしていただきまして。ちょうど弊社のECサイトに適しているのではないかというところから話が展開しました。

東急百貨店ネットショッピングについて

須﨑氏:日本の百貨店の定番的サイトだと思っています。それはどんなことかというと、「ギフト主体のサイトである」ということです。ギフトの中でも歳時記ギフトが多いんですよね。お中元やお歳暮はもちろん、バレンタインとか母の日、父の日などカレンダーの中でイベントになるようなものをメインにしたサイトです。パーソナルギフトというより儀礼ギフトだとか歳時記ギフトの方がウエイトが高いです。
その分、時期によってアイテム数や種類、導線も大きく変動します。変動が激しいという意味では、他のジャンルも同じだと思っていますが。

サイトが抱えていた課題

須﨑氏:ECサイトは、特徴として商品ごとに分類整理されているので、お客様の欲しいものが明確になっていれば、ちゃんと階層を辿っていくことで欲しい商品に辿りつけるようになっています。
しかし、私たちがメインとしているモチベーションギフトの場合は、特に買うものが決まっていなくて、何かいいものがないかなというウインドーショッピングに近いジャーニーになるんですね。その時に、当然ながら売り場とは違い、販売員がお客様の要望を聞き取ったり、商品を案内することができないので、そういった方々の離脱が比較的多くあるのではないかという課題がありました。

SELF LINK導入の決め手

橋本氏:やはり一番はサービス内容です。
SELF LINKの一番の特徴である「お客様ごとに異なる対話接客を可能にする新サービス」というところに惹かれました。SELF LINKを導入することで、我々が目指すような百貨店らしい接客を可能にするECサイトが実現できるのではないか、という期待ができたことが決め手だと思っています。

須﨑氏:百貨店って、今過渡期に立っていると考えていて。 どうやって百貨店の存在価値のようなものを残していくのか、自分たちの強みは何だろうということを、幾度となく自分たちに問いかけて模索しています。
その時に、やはり店頭での販売接客だとか、マニュアル通りのものではない自然なニーズの聞き取りだとか、パーソナルな対応だとかを我々のコアコンピタンスとして、店頭だけでなくwebでも残していかなくてはいけないだろうと考え、一般的に言われるweb接客とかそういったところにチャレンジしていかなくてはいけないだろうと考えていました。そのタイミングでSELFさんから、SELF LINKのPOC導入の提案をいただいて、初めてチャレンジするにはお互いのタイミングとしてはベストだなと考えた次第です。

コロナの影響

橋本氏:それは、もう大きかったですね。 本来は母の日に実施する予定で準備を進めていたのですが、4月に新型コロナウイルスの影響で弊社ネットショッピングの一部を閉鎖という形になってしまい、母の日の実装は難しいということで一度流れてしまったんです。
でも、SELFさんも我々も実証実験をどこかでやりたいという気持ちが強かったので、何とか6月の父の日の実装に向けて再スタートし、無事実現したという形です。

須﨑氏:まさかこんなタイミングで世の中がこのような状況になるとは思っていませんでしたが、明らかにコロナ前後ではネットショッピングに対する意識が変わったと思います。コロナ以降は、弊社内でのweb上での接客のあり方など、要請や期待値が何倍も強くなっているという印象を持っています。
今、お客様を店頭に堂々と呼べる時代じゃなくなってしまっているので、弊社でもネットショッピングを強化しようという動きになっていますね。

導入した感想

橋本氏:率直な感想としては、やっと無事にオープンしてくれたことに対しての安堵と喜びで一杯でした。コロナで何回か流れたり、いつやるのか何度も検討したり、そんな中で無事にオープンできたのはうれしかったですね。同時に、ちゃんと動くのか、どう見えるのかという不安と楽しみは本番のサイトで見ないと解消されないものなので、実際に動いているのを見たときは心から安心しました。

須﨑氏:思ったよりも自然だなというのが一番の印象です。他のチャットボットなどを導入しているサイトで見ると、どうしても違和感があったりカクカクした感じがあるかなと予想していたんですが、思ったよりシンプルで自然だなと感じました。実際に最後の商品提案につながるまでもスムーズなんで、これはありなんじゃないかという風に思いました。
実は私が4月に異動していたので、実質導入に向けて動いていたのは橋本になるんですが、橋本とSELFさんで頑張ってくれたんだなと思いました。笑
大変な時期ではありましたが、コロナ禍におけるデジタルシフトにおいては、いいタイミングだったのだと感じています。

橋本氏:今回はチャットボットを始め、社内でこのようなwebツールを取り入れるのが初めての試みだったのですが、一番多い意見としては「目新しく非常に楽しい」というものでした。弊社のメンバーはなかなかweb上でチャットボットを使わないのですが「こういった形で、自分たちのネットショッピングを案内されるのは楽しい」という意見が聞こえてきたのは嬉しいことでした。

導入効果について

橋本氏:数値としては、SELF LINKを使っていない人に対して、使った人はCVR2.5倍、顧客単価1.6倍という結果が出ました。数値結果としては素晴らしいと思いましたし、弊社としても手応えを感じたところです。
ただ私としては、サービス内容をステップアップすることで、もっと効果を上げられるサービスだと思ってます。今回コロナの影響でネットショッピングに対してのニーズも高まっているので、これからはもっと期待できるのではと思っています。

須﨑氏:今回ポジティブな数値結果が出たことは間違いなく評価できることなんですが、それと同時に「こういう数値を見た」ということが社内にとっては大きいことだなと感じています。
どういうことかと言うと、EC・通販事業部の人間は日々サイトの購買率や単価などは気にしているのですが、その他の人はその習慣がなかったんですね。百貨店なのでやはり主体は店舗の売り上げになってしまう。お店にどれだけ人に来てもらうかと言うことが重要で、デジタルマーケティングのようにこういう数値が見られて、なおかつPDCAを回していくことができるという認識がなかったんです。
でも今回ECサイトにSELF LINKを入れたことで、web上で接客をすることでCVR と単価が上がったというのが明確に見えた。それによって、その数値が改善された理由がそれだけなのか複合的じゃないのか、など数字の背景をしっかり見てさらなる改善策を考えていくという思考のきっかけになったのだと感じるんです。
我々は、片方の目で数字を見て、もう片方の目で現象を見る。時にはその視点を変えたりして結果を良くするためにはどうすればいいのかと考えるのが大事で。今まではどちらかというと現象しか見ていなかったんです。 それが今回、明確に数字の結果が出たことで、経営層も各施策に対して効果がどういった数値として出るか、興味を持つようになりました。
行動がどう数字に跳ね返るのかということを意識していくという入り口に立てたっていうのが大きいと思っています。

SELF LINKに期待すること

橋本氏:SELF LINKの強みって、『お客様の情報を日々蓄積して分析し、お客様の傾向を掴み、お客様ごとに異なる対話接客を可能にする』というところだと思っています。ですから、サービスを常設で展開することで、もっとお客様一人ひとりに寄り添って、より高い提案ができていくのではないかなと思っています。店舗でも販売員に期待して来店されるのは、やはり販売員がお客様のことを理解して、最適な提案をしてくれる安心感なんだと思います。それを、web上でもしっかり実現していきたいなと、それがSELF LINKならできるのではないかなと期待しています。

須﨑氏:今のコロナのような状況になってしまうと、接客が恋しいと言うか、予測していなかった好みの商品を買うことがなかなかなくなってしまうじゃないですか。ネットショッピングだと必要なものを買って終わってしまい、セレンディピティ(偶然の出会い)みたいなことをなかなか味わうことが減ってしまっている。買い物って、特に欲しいものがないけどお店に行ったり、気持ちが上がるものに出会いたかったりすると思うんです。そこをSELF LINKだったらweb上で実現できるのかなと。
今はまだスムーズで、適切な提案をしてくれるに収まっているんですが、最終的な形としては回り道もして、無駄話もするけど、顧客の話を聞いて理解して、買った後には顧客が高い満足度を得られるような接客ができることを期待しています。今のレベルに当然とどまっていないサービスだと思っています。
今回の取り組みはそういった意味でも、有意義な一歩だったと思うので、より気持ちに寄り添った会話だとか、人と人との対話に近いものをAIでどう再現するのかというところに、できれば一緒に向かっていければと思っています。
百貨店は、「ゆりかごから墓場まで」というように一人の顧客に対して深く一生寄り添いたいと考える業態だと考えています。そういう意味でSELFさんの一過性の関係ではなくユーザーの生活をサポートしていく考え方とは、足並みをそろえて進んでいけるのではないかなと。
何より、何かを生み出すためにはパッションが大事だと思っていて。はじめの頃から、SELF LINKとAIチャットが日本にもたらす未来に対して、橋本やSELFの方が必死に語っていたのが印象的なんです。みなさんが成功されて、そういう未来を日本にもたらすようになると嬉しいと思います。